破産手続におけるリース料債権の取扱い


リース契約に基づくリース料債権は、破産手続では、どのように取り扱われますか?

ファイナンスリース契約

 ファイナンスリース契約に基づくリース料債権は、リース契約締結時に全額が発生し、リース料のそれぞれの履行期は、リース業者がユーザーに期限の利益を与えたものと解されています。

 したがって、破産手続において、リース料債権は全額が破産債権(破産法2条5項)となります。破産手続開始決定前の債務不履行を理由に、リース業者がリース契約を解除した場合のリース契約に基づく損害金請求権も破産債権です。

 ファイナンスリース契約におけるリース物件は、リース料債権の弁済を受けれない場合、リース業者がリース契約を解除し、リース物件の返還を求め、その交換価値によって、未払いのリース料や損害金の弁済を受けるという担保としての役割を持っています。

 したがて、リース料債権は、別除権付債権(破産法2条9項)に該当します(破産手続における別除権参照)。

他のリース契約

 リース契約にはファイナンスリース契約のほかに、メンテナンスリース契約、再リース契約など賃貸借契約に近い性質のものがあります。

 そのようなリース契約については、双方未履行の双務契約として、破産法53条が適用されると解されています(破産手続における双方未履行の双務契約参照)。

 破産管財人が履行を選択した場合、リース料債権は、財団債権(破産法148条1項7号)になります。

リース物件の取戻費用

 リース物件の取戻費用は、担保権の実行や取戻権(破産法62条)の行使費用としての性質を有しています。しかしながら、当然に、ユーザーが負担すべきということにはなりません。ユーザー負担となるのは、あくまでもリース契約において、ユーザーの負担となる規定がある場合に限られると解されています。

 このように、リース物件の取戻費用は、破産手続開始決定前に締結したリース契約に基づく債権に該当します。したがって、破産債権として扱われます。


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