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破産者の重要財産開示義務


破産法は、破産者に重要財産の開示義務を課しています。

破産者の重要財産の開示義務

 破産者について破産手続開始決定がなされたときは、破産者は、遅滞なく、所有する不動産・現金・有価証券・預貯金その他裁判所が指定する財産の内容を記載した書面を裁判所に提出する義務があります(破産法41条)。

 上記の重要財産の開示義務は、破産者が自然人・法人問わず、課せられています。

 大阪地裁では、破産者は、破産手続開始申立時に、財産目録を提出しています。したがって、重要財産開示の書面が適切な内容で、かつ、変動がなければ、改めて書面の提出を求めない運用が行われています。

開示対象財産

 開示対象となる財産は、破産手続開始決定時に破産者が所有している不動産・現金・有価証券・預貯金その他裁判所が指定する財産です。

 破産手続開始決定前に処分した財産は、開示義務の対象外です。もっとも、破産者は、破産管財人に対して説明義務を負っています(破産法40条1項)。そのため、否認権行使のために管財人が把握する必要があれば、破産者に説明を求めることになります。

 不動産・現金・有価証券・預貯金は、破産者が所有するものであれば、換価可能かどうか、価値があるかどうか、国外にあるかどうか、他人名義であるかどうかを問わず開示対象です。現金は、本来的自由財産(破産法34条3項1号)に属するものも含めて開示対象になります。

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本来的自由財産については、以下の記事参照

破産手続における自由財産の拡張

自己破産しても、財産をすべて失うわけではありません。破産後に手元に残せる財産である自由財産の拡張について説明します。

 裁判所が指定する財産は、不動産・現金・有価証券・預貯金と同程度に破産者の資産として破産管財人、破産債権者の関心が高いと思われる程度に重要なものが対象になると解されています。具体的には、自動車・保険の解約返戻金・売掛債権・貸付債権・敷金・保証金返還請求権・出資金・退職金などです。

開示義務に違反した場合

 重要財産開示義務に違反した場合は、刑事罰の対象になります(破産法268条1項)。また、破産者が自然人の場合は、免責不許可事由に該当します。

破産の免責不許可事由

個人が自己破産を行う場合、その目的は、免責許可決定を得ることです。しかし、免責が認められない場合があります。免責が認められない免責不許可事由を説明します。


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