破産手続きの配当には,①最後配当,②簡易配当,③同意配当,④中間配当,⑤追加配当の5つの種類があります(破産の配当手続き参照)。今回は,追加配当を取り上げます。

追加配当

 追加配当は,最後配当簡易配当,同意配当の後,新たに配当することのできる財産があると確認された場合に,破産管財人が裁判所の許可を得て行う配当手続きです。

追加配当の対象となる財産

 追加配当の対象となる財産には,次のものがあります。

 ①異議等のある破産債権について破産債権の確定手続が係属していたので,供託していた配当額で,手続の結果,届出した破産債権の全部または一部が認められないことが確定し,他の破産債権者に配当することが可能になったもの

 ②破産管財人の錯誤等を理由に破産債権者から返還される配当金,税金の還付金

 ③最後配当の通知後に新たに発見された財産

破産手続終結後に新たに発見された財産

 上記の③に関連して,破産手続終結後に新たに発見された財産が追加配当の対象となるかどうか議論があります。

 追加配当できないという見解は,破産手続の終結により破産財団に対する破産者の管理処分権が復活すること,取引の安全性などを理由にしています。

 追加配当できるという見解は,新たに発見された財産はもともと破産財団を構成していて,破産管財人が最後配当の通知前に発見することができなかったにすぎないにもかかわらず,破産手続が終結したことを以って,追加配当しないのは公正・公平の理念に反するという理由を挙げています。

 最高裁平成5年6月25日判決は,破産管財人が当該財産を追加配当の対象とすることを予定し,又は予定すべき特段の事情があるときは,破産管財人の任務はまだ終了していないので,当該財産の管理処分権も消滅しないが,特段の事情がない限り,破産管財人の任務は終了し,破産管財人の管理処分権も消滅すると述べています。

 このことから,最高裁は,破産手続終結後に新たに発見された財産は追加配当の対象ではないとう立場を取っているが,特段の事情がある場合は,追加配当の対象とする余地も残していると指摘されています。