破産の配当手続きには,①最後配当,②簡易配当,③同意配当,④中間配当,⑤追加配当があります(破産の配当手続き参照)。今回は,最後配当について概略を説明します。

最後配当とは?

 最後配当とは,一般調査期間の経過後または一般調査期日の終了後であって破産財団に属する財産の換価終了後に行う配当です(破産法195条1項)。破産法は最後配当を原則的な配当手続きと位置付けています。

最後配当の手続き

 破産管財人は,破産財団の換価が終了すると,裁判所書記官に最後配当を行う許可を求めます。最後配当の許可を得たら,管財人は遅滞なく配当表を作成して裁判所に提出します。配当表の提出後,管財人は,遅滞なく,最後配当に参加できる債権総額と最後配当できる金額を届出債権者に対して通知します。

 通知が到達したとみなされる旨の届出のあった日から2週間が最後配当に関する除斥期間になります。除斥期間内であれば,配当表の更正をすることが可能です。

 配当表に対する異議期間経過後または異議申立ての手続き終了後,管財人は,遅滞なく最後配当に参加できる破産債権者に対する配当額を定めて,破産債権者に通知し,配当を行います。

異議申立てと即時抗告

 届出債権者は,配当表の記載に不服がある場合は,最後配当の除斥期間経過後1週間以内に裁判所に対して異議申立てができます。異議申立ての裁判に対しては,即時抗告することができます。

未確定の破産債権の取扱い

 配当の通知時に未確定の破産債権に対する配当額と破産債権者が受取らない配当額に関しては供託します。配当額の通知時に破産管財人に知られていない財団債権者は,最後配当できる金額から弁済を受けれません。

最後配当と簡易配当の選択

 最後配当は,配当の原則型であるため,簡易配当に比べて手続保障を図っています。簡易配当に対して債権者が異議を述べると最後配当に移行することになります。そのため,配当原資1000万円以上の場合は,手続きの安定性の観点から最後配当を原則としている裁判所があります。