破産の免責不許可事由の一つである免責後7年以内の免責申立てを取上げます。
免責後7年以内の免責申立て
一度、免責許可決定を受けた者に対して、短期間に再度の免責を許可することは、モラルハザードにつながります。そこで、破産法は、免責後7年以内の再度の免責申立てを免責不許可事由としています(破産法252条1項10号)。
免責後7年以内
免責許可決定の確定日から7年以内に、免責許可の申立てを行うことは、免責不許可事由になります。
ただし、免責許可決定を受けてから7年以内に免責許可の申立てがあった場合に、裁判所が裁量免責を許可することは差し支えありません。
給与所得者等再生から7年以内
個人再生の給与所得者等再生は、再生計画について、債権者の多数決による同意によらずに、裁判所が認可決定を行います。そして、再生計画認可決定が確定すると、再生債権は、再生計画どおりに変更されます。
給与所得者等再生では、モラルハザードを防止するために、再度の給与所得者等再生の利用について、7年間は制限されています(民事再生法239条5項2号イ)。
そして、破産の免責についても、モラルハザードの観点から同様に、免責不許可事由とされています。7年間の期間制限は、再生計画認可決定の確定日から起算します。
ハードシップ免責から7年以内
小規模個人再生・給与所得者等再生には、再生債務者の帰責事由なしに、再生計画の遂行が極めて困難となった場合、ハードシップ免責という制度があります。
※ハードシップ免責参照
ハードシップ免責は、要件を満たせば、裁判所の許可でなされます。したがって、モラルハザード防止のために、免責不許可事由とされています。