破産財団から放棄された財産を目的とする別除権について、別除権者がその放棄の意思表示をする相手方を破産者だと判断した最高裁決定を紹介します。
最高裁平成12年4月28日決定
破産財団から放棄された財産を目的とする別除権について、別除権放棄の意思表示をすべき相手方は誰か?が問題になった事案です。
最高裁の判断
最高裁は、別除権の放棄の意思表示をする相手方は、破産者だと判断しました。
破産財団から特定の財産が放棄された場合には、当該財産の管理及び処分について、破産管財人の権限は消滅し、破産者の権限が復活する。
したがって、この場合に、当該財産を目的とする別除権につき別除権者がその放棄の意思表示をすべき相手方は、破産者であると解するほかはない。このことは、破産者が株式会社であっても、異なるところはない。