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個人再生手続と交通事故


個人再生を申立てた債務者が、申立前に交通事故を起こしていた場合、被害者の損害賠償請求権は、個人再生手続でどのように扱われるのでしょうか?

損害賠償請求権と再生債権

 再生開始決定前に生じた交通事故による損害賠償請求権は、再生開始前に生じた債権なので、再生債権です(民事再生法84条1項)。したがって、他の再生債権と同様に、個人再生手続によって、権利変更を受けます(民事再生法229条1項)。

 民事再生法も破産法と同様に、非減免債権が存在します(民事再生法229条3項)。交通事故が、①悪意に基づく場合、又は②故意又は重大な過失により加えた生命又は身体を害する不法行為であれば、損害賠償請求権は非減免債権になります。ただ、通常の交通事故は、これらの要件を満たさないので、非減免債権に該当しません。

自動車保険の保険金請求権と個人再生手続

 交通事故の加害者である再生債務者が自動車保険に加入していれば、自動車保険に保険金を請求することができます。この保険金請求権が再生債務者の財産だとすると、清算価値の対象になります。

 しかし、被保険者が保険会社に対して有する保険金請求権は、被保険者が損害賠償義務を履行する際に金銭的援助を目的としています。つまり、被保険者が受領する保険金は、最終的には被害者に対して損害賠償金として支払われることが想定されていて、被保険者の財産となることは想定されていません。そうすると、清算価値に含まないと考えることができます。

保険法による解決

 保険法22条1項は、責任保険契約の被保険者に対して保険事故に係る損害賠償請求権を有する者は、保険給付を請求する権利について先取特権を有すると規定しています。

 また、保険金請求権に対する差押えが、原則として禁止されています(保険法22条3項本文)。保険金請求権は、差押禁止財産なので、破産手続では、本来的自由財産に該当します(破産法34条3項2号)。個人再生手続においても、本来的自由財産は、清算価値の対象になりません。

 そして、被害者は、保険金請求権について先取特権を有しているので、別除権者となり、再生手続外において、直接、保険金請求権を行使することができます(民事再生法53条)。


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