個人再生手続における滞納公租公課


税金等の滞納がある場合、個人再生手続きでは、どのように扱われますか?

民事再生手続における滞納公租公課の取扱い

 租税債権や国税徴収法の例によって徴収できる請求権は、民事再生手続では、一般優先債権として扱われます(民事再生法212条1項)。

 一般優先債権は、再生手続によらずに、随時弁済する必要があります(民事再生法212条2項)。また、再生計画による債権の減額の対象になりません。

 また、公租公課に基づく滞納処分は、民事再生手法の一般優先債権に基づく強制執行等に対する中止命令・取消命令(民事再生法122条4項・121条3項)の対象ではありません。つまり、民事再生手続において、滞納処分を回避する制度は、存在しません。

履行遅滞性と滞納公租公課

 個人再生手続では、滞納公租公課があると、再生計画の履行可能性に影響します。

 滞納公租公課の弁済計画が予定どおりにいかず、滞納処分がなされれば、再生計画の履行は困難になります。滞納公租公課の弁済が可能であれば、できる限り弁済しておくべきです。

 しかし、滞納公租公課の弁済ができない場合は、滞納公租公課が存在することを前提に、再生計画を作成する必要があります。たとえば、課税庁と期限の猶予や長期分納協議を行い、課税庁の了解を得て、合理的で履行可能性のある再生計画を作成しなければなりません。


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