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破産手続きにおける同時廃止と管財事件の振分け


平成29年10月1日から大阪地裁では新基準での運用を始めます。この記事は、それまでの運用基準です(新基準については、大阪地裁における破産の同時廃止の運用基準の変更参照)。

管財事件と同時廃止 

 破産事件には、管財人を選任する①管財事件と、管財人を選任しない②同時廃止事件の2種類あります。破産の原則的な手続きは、①管財事件です。

 大阪地方裁判所における管財事件の割合は、約30%です。つまり、破産事件のほとんどは、②同時廃止で処理されています。

大阪地裁の破産事件の運用 

 大阪地方裁判所では、同時廃止と管財事件の振分けは、以下のように運用されています。

大阪地裁における同時廃止と管財事件の振分け

①現金と普通預貯金以外の財産が100万円を超える→管財事件

②オーバーローン基準で無価値といえない不動産がある→管財事件

③個人事業主→原則、管財事件

④法人代表者→原則、管財事件

⑤保証債務・住宅ローン以外の債務が3,000万円以上ある→管財事件の可能性大

⑥偏頗行為や財産減少行為の存在がうかがわれ、否認権行使の可能性がある→管財事件の可能性大

 上記以外にも、免責不許可になることが見込まれ、裁量免責を受けるために、破産管財人による免責不許可事由の調査や生活状況の指導監督が必要な場合も申立て後に管財事件に移行することがあります。

 また、管財事件において認められる自由財産の拡張は、同時廃止では認められません。そのため、自由財産の拡張の申立てをするために、あえて管財事件として、破産申立てを選択することもあります。


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