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会社代表者の破産申立て(大阪地裁の運用)


会社の代表者が破産申立てをする場合、何か気を付けることはありますか?

会社代表者の破産での問題

 中小企業の会社代表者は、個人の財産と会社である法人の財産の混同が生じやすいという特徴があります。そのため、類型的に破産管財人による調査が必要とされています。代表者の負債・債権が法人と関連する場合、裁判所は法人に財産がないことの疎明がなければ、代表者の破産を同時廃止で処理することは困難とされています。

 また、代表者が破産申立てを行うと、委任契約が終了することにより、代表者は取締役の地位を失います(会社法330条、民法653条2号)。その結果、法人の清算が一時的または長期的に事実上困難になってしまいます。

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詳しくは、以下の「破産と資格制限」を参照

破産と資格制限

破産のデメリットの一つが、資格制限です。破産による資格制限を説明します。

 以上のように、会社代表者の破産には、2つの問題があります。この問題を踏まえて、大阪地裁では、次のように運用しています。

①会社・代表者ともに管財事件として破産申立てを行う場合

 大阪地裁では、債権者数が100人未満の破産管財事件は、法人並存型という類型を作り、運用しています。代表者に会社との関係を除き財産がないことがうかがわれる場合、会社の管財事件に付加して、官報公告費用と郵便切手代の引継予納金のみで代表者の破産事件を管財事件とすることができます。

 ただし、債権者数や予想される管財人の業務内容、見込まれる破産財団の規模などから法人並存型として扱うことができない事件もあります。その場合は、法人・代表者ともに最低額以上の引継予納金が必要です。

②代表者のみを管財事件として破産申立てを行う場合

 大阪地裁では、法人並存型の運用があるため、できるだけ法人と一緒に管財事件として破産申立てを行うのが望ましいといえます。

③代表者のみ同時廃止として破産申立てを行う場合

 代表者の破産を同時廃止として申立てた場合は、管財事件に移行する可能性が高いといえます。同時廃止として破産申立てを行うのは、法人に財産がない、予納金を準備できないといった理由があります。

 大阪地裁では、法人並存型の運用によって、予納金を低廉にしています。同時廃止で申立てたところで、管財事件に移行するので、できるだけ法人と代表者を管財事件として一緒に破産申立てを行うのが望ましいです。


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