マンション管理費の法的性質

 マンションの管理費・修繕積立費は,マンションの管理組合が定める管理規約に基づいて,マンション所有者が負担します。これは,区分所有法7条1項の「他の区分所有者に対して有する債権又は規約若しくは集会の決議に基づき他の区分所有者に対して有する債権」,「管理者又は管理組合法人がその職務又は業務を行うにつき区分所有者に対して有する債権」に該当します。

 したがって,マンション管理費の滞納があると,管理費を立替払いした区分所有者や管理組合は,債務者の区分所有権と建物に備え付けた動産の上に先取特権を有することになります。

個人再生で住特条項を利用できない場合

 住宅の上に住宅ローン債権または住宅ローン債権の保証会社の求償権について設定された抵当権以外に,民事再生法53条1項の特別の先取特権,質権,抵当権,商事留置権が存在する場合は,住特条項を利用できません。

マンション管理費の個人再生手続きでの取扱い

 マンション管理費の滞納があると,上記のように,管理組合等は債務者に対する管理費を被担保債権として,債務者の区分所有権上に先取特権を有します。

 この先取特権は,区分所有権及び建物に備え付けた動産という特定の財産の上に認められるもので,性質上,特別の先取特権と解されています。

 そして,この先取特権は,共益費用の先取特権(民法306条1項)とみなされ,先取特権を行使して,優先的に弁済を受けることができます。

 したがって,マンションの滞納管理費を被担保債権とする先取特権が行使されたら,債務者は住宅を手放さなければなりません。民事再生法53条1項の特別の先取特権として扱われます。

 以上により,マンション管理費の滞納がある場合,住特条項を利用することはできません。

マンション管理費の滞納の解消

 マンション管理費の滞納があるが,個人再生で住特条項を利用したい場合は,マンション管理費の滞納を解消する必要があります。ただし,債務者が支払うと他の債権者との間での不均衡が生じ,清算価値に上乗せされるおそれがあります。

 したがって,親族から援助を受けるなど第三者が弁済するといった方法でマンション管理費の滞納を解消し,個人再生を申立てることになります。