債務整理の手続きの中で,破産特有のデメリットはあまり多くはないのですが,資格制限は,破産特有のデメリットの一つといえます。

破産による資格制限

 破産手続開始決定がなされると,破産法以外の各種法令により,政策的な見地から公法上,私法上の資格が制限されます。

公法上の資格

 弁護士,税理士,司法書士,公認会計士,公証人

 警備業者・警備員,生命保険募集人,損害保険代理店

 宅地建物取引業者,宅地建物取引士

 建設業者,貸金業者

私法上の資格

 後見人,後見監督人,保佐人,保佐監督人,補助人,補助監督人,遺言執行者

手続きの選択

 資格制限に該当する仕事をしている場合,破産することで,資格が制限されてしまいます。そのため,破産ではなく,任意整理や個人再生の選択を検討しなければなりません

 また,たとえば,警備会社に警備員として勤務している人で,警備員以外の業務へ配属ができるかどうか,会社と調整できるかどうかも検討する必要があります。

取締役

 取締役が破産すると,破産手続開始決定により,委任関係が終了します。そのため,取締役の地位を当然に失います。しかし,会社法は,破産手続開始決定を受けたことを取締役の欠格事由にしていません。株主総会で再度,取締役に選任することは可能です。

復権

 資格制限ですが,永久に制限されるわけではなく,復権によって,制限が消滅します。復権には,当然復権と申立てによる復権があります。

当然復権

 破産法はいくつかの事由を上げていますが,免責許可決定が確定が最もオーソドックスな事由です。免責許可決定の確定により,何もしなくても復権の効果が発生します。

 免責許可決定は,官報公告後,2週間の即時抗告期間が経過したことで確定します。免責許可決定の確定日を確認したことは,これまでありませんが,免責許可決定後,約1か月で復権することになります。

申立てによる復権

 破産者が破産債権者全員に対する債務を弁済,免除,消滅時効等により責任を免れた場合,破産者の申立てにより,裁判所が認める復権です。