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オーバーローン不動産の破産(同時廃止)での取扱い


オーバーローン不動産を所有している場合、破産手続は必ず管財事件になりますか?

不動産を所有していると管財事件

 破産者が不動産を所有している場合、破産管財人が、任意売却することで、破産財団に一定額を組入れることができます。そのため、原則として、管財事件になります。

破産手続きにおける同時廃止と管財事件の振分け

大阪地裁における破産の同時廃止と管財事件の振分けを説明します。 なお、運用が変更され、現在は新基準よって振分けられています。

 たとえば、遺産分割未了で流通性のない農地があるという場合も、管財事件として処理することになります。

 しかし、オーバーローンの不動産で、明らかに無価値という場合は、例外的に同時廃止として処理することができます。大阪地裁の基準は、次のとおりです。

大阪地裁におけるオーバーローン不動産の同時廃止基準

大阪地裁におけるオーバーローン不動産の同時廃止基準

①担保設定不動産の被担保債権の残額が固定資産税評価額の2倍を超える

②被担保債権の残額が固定資産税評価額の1.5倍~2倍までの場合、被担保債権の残額が査定書の評価額の1.5倍を超える

 この2つのいずれかを満たす場合は、オーバーローンの不動産を無価値として扱われます。無価値と扱うということは、同時廃止として処理することができます。

不動産は失うことになる

 ここまでの話しは、オーバーローンの不動産がある場合に、破産の手続きを同時廃止として処理することができる可能性があるというにすぎません。

 破産者は、結局、不動産を失います。まず、破産することで、住宅ローンの支払いをしないことになり、期限の利益を喪失します。そうすると、銀行は保証会社から代位弁済を受けます。その後、保証会社は、自宅不動産の抵当権を実行します。

 通常は、競売よりも任意売却の方が高く売却できます。そのため、保証会社から任意売却の打診があると思います。ここで、破産者の方から不動産業者を探して、その業者が自宅不動産を売却できれば、引っ越し費用を売却代金から受領することができる可能性が高くなります。

 もし、思い当たる不動産業者がない場合、法律事務所エソラで、不動産業者を紹介することもできます。


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