大阪地裁における債権者集会非招集型手続きについて取り上げます。

債権者集会非招集型手続

 債権者集会非招集型手続は,債権者集会を招集することなく一般管財事件を進行させる運用です(債権者集会について破産手続の債権者集会参照,一般管財事件について大阪地裁の一般管財の運用参照)。大阪地裁では,債権者集会非招集型手続を平成23年1月から実施しています。

債権者集会非招集型の対象事件

 債権者集会非招集型手続は,債権者不出頭の第1回債権者集会で異時廃止となる事件について債権者集会を招集しないことで,事件処理の合理化を図る運用です。そこで,大阪地裁では,次の要件を充足する事件を対象としています。

 (1)破産手続開始決定から12週間以内に破産管財人による換価が終了し,配当財団が形成されないことが確定すると見込まれる

 (2)債権者集会を招集しても出頭する債権者がいないと見込まれる

 (3)破産者が自然人の場合,破産管財人において,換価が終了時に免責についての調査が完了して報告が可能になると見込まれる

 実際には,破産手続開始決定時に上記の要件を充足していると判断できる事案は,多くはないと指摘されています。

債権者集会非招集型手続の割合

 大阪地裁における一般管財事件のうち,債権者集会非招集型手続が占める割合は約1.5%です。一方,破産申立時に債権者集会非招集型手続を希望した事件は約5%です。実際に債権者集会非招集型手続が採用されたのは,申立時に希望した事件の約30%にとどまっています。

債権者集会非招集型手続に適さない事案

 次のような場合は,債権者集会非招集型手続に適さないと考えられます。

破産財団に不動産がある

 債権者集会非招集型手続は破産財団の換価を12週間以内に終了させる必要があります。破産申立時に適正な価額で不動産を会受ける人が決まっているとか,換価することが困難な原野であるといった事情がなければ,債権者集会非招集型手続に適しません。

破産財団に売掛金,貸付金がある

 破産財団に未回収の売掛金や貸付金がある場合,通常,12週間以内に回収することが困難であり,債権者集会非招集型手続に適しません。

申立人が事業者の場合

 破産申立人が事業者の場合,支払停止から破産申立までが長期化すると,その間に偏頗行為等が行われる可能性があります。破産管財人としては,否認対象行為の有無を調査する必要があります。

 大阪地裁では,申立人が事業者の場合に債権者集会非招集型手続を採用するには,支払停止後概ね2か月以内に破産申立がなされていることが必要と考えているようです。