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破産債権の種類と優先順位


破産債権には、どんな種類があって、その優先順はどうなっていますか?

破産債権とは?

 破産債権とは、破産者に対し破産手続開始決定前の原因に基づいて生じた財産上の請求権で、財団債権に該当しないもののことです(破産法2条5項)。

 破産債権は、破産手続でのみ行使でき(破産法100条1項)、破産手続に参加して(破産法103条1項)、破産財団から配当を受けることができる債権(破産法193条1項)です。

 貸付金・売掛金・保証債務履行請求権・手形債権・求償権などが、実務上よくある破産債権です。

 破産債権には、いつくか種類があり、その優先順位が決まっています。

破産債権の種類と優先順位

 破産債権には、以下の4種類があります。

破産債権の種類

①優先的破産債権

②一般の破産債権

③劣後的破産債権

④約定劣後破産債権

 ②の一般の破産債権が、名前のとおり標準的な破産債権です。前述した貸付金や売掛金等は一般の破産債権に該当します。

 破産債権の優先順は、上記の①~④の順番です。同じ種類の破産債権が複数存在する場合は、それぞれの順位の中で債権者平等が働きます。

①優先的破産債権

 優先的破産債権とは、破産財団に属する財産について一般の先取特権その他一般の優先権のある破産債権のことです(破産法98条1項)。

 租税債権は一般的優先の原則があるので、優先的破産債権に該当します。しかし、租税債権の一部は財団債権になり(破産法148条1項3号)、一部は劣後的破産債権になります(破産法99条1項1号・97条4号・5号)。

 労働債権には一般の先取特権が認められているので、優先的破産債権に該当しますが、一部は財団債権になります(破産法149条)。

 優先的破産債権の中で、優先順位があります。その優先順は、民法・商法その他の法律の定めるところによります(破産法98条2項)。租税債権のうち、①国税・地方税、②社会保険料等の順に優先されます。その次に③私債権の順になります。③の私債権の中にも優先順があります。

③劣後的破産債権

 劣後的破産債権は、一般の破産債権に劣後するので、通常、配当されることはありません(破産法99条1項・97条1号~7号)。しかし、免責の対象とするために破産債権としています。

④約定劣後破産債権

 約定劣後破産債権は、劣後的破産債権にも劣後することを当事者間で約定した破産債権です(破産法99条2項)。劣後ローンが該当します。


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