破産申立後に破産者が死亡した場合の取扱いについて取上げましたが,今回は,個人再生申立後に債務者が死亡した場合の取扱いを取上げます。

個人再生申立後の債務者の死亡

 再生債務者が死亡した場合,その相続人は死亡時の再生債務者の資産と負債を承継します。当然,再生債務者が個人再生手続の弁済原資と予定していた将来の収入は承継しません。

 個人再生手続は,再生債務と弁済原資である将来の収入が手続きの重要な要素になります。再生債務者が死亡したことで,相続人が将来の収入を相続することはないので,個人再生手続を維持することはできず,再生債務者の地位を承継することもありません。

個人再生申立後,再生手続開始決定前の死亡

 申立後,再生手続開始決定前に申立人である債務者が死亡した場合,個人再生手続は続行する余地がないので,個人再生手続は当然に終了します。

再生手続開始決定後,再生認可決定確定前に死亡した場合

 破産と異なり,相続財産には再生能力が認められていません。そのため,個人再生手続は終了します。相続人が相続債務を免れるためには,相続放棄を行う必要があります。

再生認可決定確定後に再生債務者が死亡した場合

 再生認可決定が確定することで,個人再生手続は終結します。手続きは終結するのですが,再生債務者の地位は再生認可決定確定前と変わることはないと解されています。

 この場合も再生債務者の相続人は,再生債務者の地位は承継しません。相続人は,再生認可決定よって変更された再生債務を承継することになります。相続人は,再生計画に従って債務を弁済すれば,再生債権者にとって不利益は生じません。

再生計画の変更,ハードシップ免責

 再生認可決定後に再生計画の履行が困難となった場合,再生計画の変更ハードシップ免責という手続きがあります。前述のとおり,相続人は再生債務者の地位を承継しないので,再生計画の変更・ハードシップ免責を申立てることはできません。