破産手続における一般の財団債権を取り上げます。
一般の財団債権
破産法148条は、財団債権に該当する債権を列挙しています。
破産法148条1項に規定されている財団債権を一般の財団債権といいます。また、一般の財団債権以外の財団債権を特別の財団債権といいます。
④破産財団に関し破産管財人がした行為によって生じた請求権
破産手続開始決定後は、破産財団に属する財産の管理処分権は破産管財人に帰属します(破産法78条1項)。破産管財人が管財事務の遂行過程で契約を締結すると、その契約の効果は破産財団に帰属します。契約の相手方の債権は、破産財団が負担することになります。
その相手方の債権を平時と同様に処遇しないと、公平性を欠くことになるため、破産法は、財団債権として扱うことを明記しています。
破産管財人の不法行為に基づく損害賠償請求権
破産管財人が、管財事務の遂行過程でした不法行為に基づく損害賠償請求権は、破産管財人の行為によって生じた請求権として財団債権となります。
不法行為に基づく損害賠償請求権には、管財人の積極的な行為に基づくものだけでなく、不作為に基づくものも含まれます(管財人の不法行為と財団債権参照)。
租税等の請求権に係る延滞税等
財団債権となる租税等の請求権について破産手続開始決定後に発生する延滞税、利子税、延滞金は、本税の弁済を遅滞した破産管財人の不作為によって生じた請求権として、財団債権に該当します。