破産手続における一般の財団債権を取り上げます。
一般の財団債権
破産法148条は、財団債権に該当する債権を列挙しています。
破産法148条1項に規定されている財団債権を一般の財団債権といいます。また、一般の財団債権以外の財団債権を特別の財団債権といいます。
③破産手続開始前の原因に基づいて生じた租税等の請求権
租税等の請求権のうち、破産手続開始決定時において、納期限が到来していないもの又は納期限から1年を経過していないものに限り、財団債権となります。国税や地方税といった公訴と各種社会保険料等の公課が該当します。
租税等の請求権は、自力執行権があり、合理的期間内に自力執行権を行使しなかった場合まで財団債権として優先権を認めるのは相当ではないことから、財団債権の範囲は、上記のように限定されています。
破産手続開始前の原因に基づいて生じた租税等の請求権で、財団債権とならないものは、優先的破産債権として扱われます。
破産手続開始前の原因
破産手続開始前の原因に基づくとは、債権の発生の基本となる法律関係が破産手続開始前に生じていることが必要で、債権の成立に必要な事実の大部分が破産手続開始前に具備されていれば足りると解されています。課税要件の充足時である納税義務の成立時期によって判定されることになります。
納期限
納期限は、法定納期限ではなく、納付税額が確定した租税を実際に納付すべき期限である具体的納期限のことを意味します。具体的納期限は、各租税等の請求権の確定方式によって異なります。
破産手続開始前に包括的禁止命令が発せられ、滞納処分をすることができない期間がある場合は、その期間は、具体的納期限を起算点とする1年の期間から除外されます。