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破産手続における所有権留保の取扱い


非典型担保権の一つである所有権留保は、破産手続において、別除権として扱われますか?

所有権留保

 売買契約において、目的物を買主に引き渡した上で、代金債権の弁済を受けるまでは、その所有権を売主に留保します。①買主が代金を弁済したときは、売主は所有権を買主に移転します。しかし、②買主が代金を支払わないときは、期限の利益を喪失させ、売主は買主に目的物の引渡を請求する権利を有します。このような取引を所有権留保といいます。

 この所有権留保は、自動車の割賦販売契約や商品のクレジット取引に多く見られる取引形態です。

破産手続での所有権留保の取扱い

 所有権留保取引について、破産手続との関係では、まず、双方未履行の双務契約の規定である破産法53条の適用が問題になります(破産手続における双方未履行の双務契約参照)。

 目的物の所有権は代金の完済という条件付きではあるが、買主に移転していて、売主に目的物引渡以降、代金支払と対価関係に立つ義務はないことを理由に、破産法53条の適用を否定しています。

 留保所有権は、本来の意味の所有権ではなく、実質は代金債権を担保する目的の担保権と解されています。そうすると、所有権留保は、破産手続において別除権(破産法65条)として取扱われます。

 別除権の行使方法は、目的物の引渡請求と留保売主による換価です。譲渡担保と同様、目的物の価値が残債権額を上回っていれば、買主に清算金を支払うことになります。

所有権留保と対抗要件

 破産手続において別除権を行使するには、対抗要件を具備していることが必要です。

 民事再生手続の事案ですが、自動車の割賦販売契約において販売会社が購入者に所有権留保の形式で自動車を売却し、信販会社が売買代金を立替払いし、立替金と諸経費の分割支払が終了するまで所有権の移転を留保するというケースで、最高裁判決が出ています(自動車の所有権留保と倒産手続参照)。


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