破産手続における担保権実行の申立て


破産手続における担保権実行の申立てを取り上げます。

担保権実行の申立て

 破産法は、破産管財人に担保権消滅許可の申立てを認めています。管財人による担保権消滅許可の申立てに対する担保権者の対抗手段の一つが、担保権実行の申立てです(破産法187条)。

 担保権者は、担保権消滅許可の申立てに異議がある場合は、すべての被申立担保権者に申立書等が送達された日から1か月以内に、担保権実行を申立てたことを証明する書面を裁判所に提出することができます(破産法187条1項)。この書面が提出されると、裁判所は、担保権消滅を不許可とする決定を行います(破産法189条1項)。

担保権の実行を申立てたことを証明する書面

 担保権の実行を申立てたことを証明する書面とは、担保不動産競売手続開始による差押登記が記載された不動産登記簿が、典型です。

 その他に、競売申立事件が係属する裁判所が発行する申立受理証明書・競売手続開始決定謄本・債権差押決定謄本などがあります。

担保権消滅許可の申立てに先立って、すでに担保権実行の申立てを行っている場合

 被申立担保権者は、所定の期間内に担保権の実行を申立てたことを証明する書面を裁判所に提出する必要があります。書面の提出がなければ、担保権消滅許可手続は、そのまま進行し、裁判所は担保権消滅許可決定を行うことができるとされています(破産法189条1項)。

不動産収益執行の申立て

 担保権実行の申立てに抵当権等に基づく不動産収益執行の申立てが含まれるか?は、見解が分かれています。


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