破産手続における破産債権の調査を取上げます。
破産債権の調査
破産手続における債権調査は、裁判所に届出られた債権について、①破産債権としての適格性、②債権の存否・金額、③優先劣後の順位、④別除権者が届け出た予定不足額の当否を調査することです。
債権調査の方法
債権調査の手続として、調査期間又は調査期日が設けられます(破産法31条1項3号)。手続の方式として、書面方式と口頭方式があります。
破産法は、①調査期間と書面方式(破産法117条・118条)、②調査期日と口頭方式(破産法121条)の組合せで行っています。
破産法は、①を原則としています。しかしながら、実務上は原則として、②の期日方式によって行われています。
書面による破産債権の調査(期間方式)
破産管財人による認否書の作成、破産債権者の書面による異議、破産者の書面による異議によって行われます(破産法116条1項)。
管財人は、債権届出期間内に届出のあった破産債権について、破産債権の額、優先的破産債権であること、劣後的破産債権又は約定劣後破産債権であること、別除権の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる債権の額について認否した認否書を作成します(破産法117条1項)。認否書に記載がない場合は、管財人が認めたとみなされます(破産法117条4項)。
届出をした破産債権者は、一般調査期間内に裁判所に対して書面で異議を述べることができます(破産法118条1項)。
期日における破産債権の調査(期日方式)
債権調査期日における破産管財人の認否、破産債権者の異議、破産者の異議によって行われます(破産法116条2項)。
管財人による認否の対象は、書面による債権調査と同様です。破産法上、認否書の作成は要求されていません。しかしながら、破産管財人が多数の破産債権を認否するに当たり、書面化して整理するのが合理的なので、期日方式でも認否書が作成・提出されています。なお、裁判所は管財人に対して認否予定書を提出することを命じることができます(破産規則42条1項前段)。
届出をした破産債権者は、期日に出頭して異議を述べることができます(破産法121条2項)。
破産者は、一般調査期日に出頭する義務があります(破産法121条3項本文)。破産者は、破産債権の額について異議を述べることができ(破産法121条4項)、必要な事項について意見を述べる必要があります(破産法121条5項)。