民事再生手続から破産手続に移行することを牽連破産といいます。牽連破産の場合の再生手続開始決定後の損害金の処理を取上げます。

再生計画の原状回復

 民事再生手続から破産手続に移行した場合,再生計画によって変更された再生債権は原状に復します。つまり,再生計画によって免除が認められた再生手続開始決定後の損害金は復活することになります。

 復活した損害金は,破産手続開始決定前の損害金なので,債権者は,劣後しない破産債権として債権届出することができます。

債権届出の再利用

 牽連破産の場合,先行する民事再生手続と後行の破産手続は,手続きとしては,別個の手続きです。

 再生手続の開始時期と破産手続開始時期が接着している場合や内容に変動が予想されない再生債権が多くを占めている場合に,改めて破産債権の届出を行う実益はほとんどなく,再生手続の債権届出を破産手続でも利用できれば合理的です。

 そこで,裁判所が相当と認めるときは,新たな破産債権の届出を必要とせず,再生手続の債権届出を破産手続の債権届出として利用することができます。

 この場合,破産手続開始決定前の損害金であっても,再生手続開始決定後に発生した損害金である以上は,劣後的破産債権に該当します。

 ただし,破産債権者が新たな債権届出を行った場合は,損害金は,原則どおり,劣後しない破産債権として扱うことになります。

 なお,債権届出の再利用は実務上は,ほとんど行われていません。