経営者保証ガイドラインは、どのような場合に利用できますか?
経営者保証ガイドラインの要件
経営者保証ガイドラインを利用するためには、以下の4つの要件を全て充足する必要があります。
①保証債務整理対象となる保証人であること
経営者保証ガイドラインの対象となる保証契約であることが、大前提です。対象となる保証契約は、以下のすべての要件を充足している必要があります。
経営者保証ガイドラインの対象となる保証契約
(1)保証契約の主債務者が中小企業である
(2)保証人が個人であって、主債務者である中小企業の経営者である
(3)主債務者、保証人の双方が弁済について誠実で、対象債権者の請求に応じ、それぞれの財産状況等について適時適切に開示している
(4)主債務者、保証人が反社会的勢力でない
(1)の中小企業には、個人事業主も含まれます。
②主債務者が破産手続、民事再生手続、会社更生手続、特別清算手続の開始申立てを行っている又は、準則型私的整理手続の申立てを行っていること
準則型私的整理とは、利害関係のない中立かつ公正な第三者が関与する私的整理手続やこれに準ずる手続をいいます。
具体的には、中小企業再生支援協議会による再生支援スキーム・事業再生ADR・私的整理ガイドライン・特定調停等です。
主債務者の整理手続終結後に保証債務の整理を開始した場合、残存資産の範囲は自由財産の範囲内に限られます。そのため、インセンティブ資産を残すことはできません。
③対象債権者において、破産手続における配当よりも多くの回収を得られる見込みがある等、経済的合理性が期待できる
経営者保証ガイドラインの場、破産管財費用が生じません。そのため、経済的合理性の要件は、比較的広く認められると解されています。
④保証人に免責不許可事由が生じておらず、そのおそれがないこと
ここでいう、「そのおそれ」とは、保証債務整理の申出後に該当するおそれがないことを意味するとされています。