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経営者保証ガイドラインと残存資産


経営者保証ガイドラインによって、保証人の手元に残すことができる残存資産の範囲を取り上げます。

経営者保証ガイドラインにおける残存資産

 経営者保証ガイドラインの手続によって、手元に残せる財産を残存資産といいます。残存資産をどれだけ残せるか?は、以下の点を総合的に勘案して決定することになっています。

経営者保証ガイドラインにおいて残存資産をどれだけ残せるか?の考慮要素

(1)保証人の保証履行能力、保証債務の従前の履行状況

(2)主債務者が不履行に至った経緯等に対する経営者である保証人の責任

(3)経営者である保証人の経営資質・信頼性

(4)経営者である保証人が主債務者の事業再生・事業清算に着手した時期等が事業再生計画等に与える影響

(5)破産手続における自由財産・民事執行法の標準的な世帯の必要生計費の考え方との整合性

自由財産と拡張自由財産

 差押禁止財産などの本来的自由財産(破産法34条3項)や破産手続において拡張される自由財産は、残存資産に含まれます。

にゃソラ

破産手続における自由財産の拡張は、以下の記事参照

破産手続における自由財産の拡張

自己破産しても、財産をすべて失うわけではありません。破産後に手元に残せる財産である自由財産の拡張について説明します。

 また、財産評定後の収入である新得財産は、残存資産になります。

インセンティブ資産

 回収見込額の増加額の範囲内で、一定のインセンティブ資産を残せる可能性があります。インセンティブ資産を残せる可能性があるのが、経営者保証ガイドラインの最大のメリットといえます。

 インセンティブ資産として残せる可能性のある財産は、以下の3つです。

インセンティブ資産の対象

①一定期間の生計費に相当する額

②華美でない自宅

③その他の財産

 また、主債務者が再建型手続きを行っている場合は、主債務者の実質的な事業継続に最低限必要な資産を主債務者に譲渡した上で、残すことができる場合があります。


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