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破産申立後に発見された財産と自由財産拡張


破産申立後に見つかった財産を保有し続けることはできますか?

自由財産の拡張申立ての時期

 破産申立てを行った場合、破産者の財産の内、保有することができるのは、本来的自由財産と自由財産の拡張が認められた財産です。

破産手続における自由財産の拡張

自己破産しても、財産をすべて失うわけではありません。破産後に手元に残せる財産である自由財産の拡張について説明します。

 破産手続きにおける自由財産の拡張の裁判は、破産手続開始決定が確定した日から1か月を経過するまでの間に行わなければなりません(破産法34条4項)。

 したがって、破産者からの自由財産の拡張申立てについても、遅くとも上記の時期までに行う必要があります。通常、破産手続開始決定があったことが官報に掲載されるのに約2週間かかります。さらに、即時抗告期間の2週間を経過することで、破産手続開始決定が確定します。

 破産法34条4項の期間は、破産手続開始決定がなされてから、約2か月あるということができます。しかし、実務上は、破産申立ての段階で自由財産の拡張申立てを行っています。

 したがって、実際に破産法34条4項の期間を経過して、自由財産の拡張申立てがなされるのは、①自由財産拡張申立欄のチェックミスか②新たに発見された財産についての自由財産の拡張申立てのどちらかと考えられます。

単なるチェックミスは問題としない

 大阪地裁では、破産申立時に提出する財産目録の自由財産拡張申立欄にチェックを入れる形で、自由財産の拡張申立てを行います。自由財産拡張申立欄の単なるチェック漏れの場合、それが、申立代理人の単純ミスである場合は、誤記と解して、期間内に自由財産の拡張申立てがあったと扱われることが多いです。

新たに発見された財産の自由財産拡張

 大阪地裁の自由財産の拡張運用基準では、破産手続開始決定時に、財産目録に記載のない財産は、財産の種類にかかわらず、原則として、自由財産の拡張を認めません。

にゃソラ

自由財産の拡張運用基準については、以下の「破産手続における自由財産の拡張」も参照

破産手続における自由財産の拡張

自己破産しても、財産をすべて失うわけではありません。破産後に手元に残せる財産である自由財産の拡張について説明します。

 例外的に、破産者がその財産を財産目録に記載しなかったことについて、やむを得ない事情がある場合は、自由財産拡張運用基準に従って、自由財産拡張の余地があります。

 破産手続開始決定後に発見された財産が、管財人が見つけた財産なのか、破産者が申告した財産なのかで取扱いが変わるわけではありません。また、発見された財産の種類によって取扱いが変わることもありません。

 このような運用基準になっているのは、破産管財人が破産者の財産の全容を把握する端緒となる申立時の財産目録を申立てに際して、十分調査して、できるだけ正確に記載することを求めるためです。そのため、破産者に財産の隠匿の意図・目的がなかったとしても、考慮されません。

 例外的に、自由財産の拡張が認められる「やむを得ない事情」としては、前述の単なるチェックミスが挙げられます。また、財産が自分の管理下にはなく、自分の財産であるとは考えおらず、そのように考えることに無理からぬ事情がある場合などが考えられます。

 なお、やむを得ない事情が認められたとしても、その財産が拡張適格財産でない場合は、破産者が、申立時に把握していなかった財産が、はたして破産者の経済的再生に必要かつ相当なのか?という点を説明するのは、非常に困難であると思われます。


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