破産手続きの配当の内、中間配当の概略を説明します。
中間配当
破産手続における配当は、破産財団の換価終了後に行うのが原則です。早期に破産債権者に満足を与える必要があることから、換価終了前でも、一定程度の破産財団が確保できた場合に、暫定的な配当を行うことが認められています。
中間配当は、一般調査期間の経過後または一般調査期日の終了後、破産財団の換価が終了する前に、配当するのに適当な破産財団に属する金銭がある場合に、最後配当に先立って、行う配当手続きです(破産法209条1項)。
破産管財人は、破産財団の換価をなるべく早く行うようにしています。したがって、中間配当が実施されるのは、大規模な破産事件など例外的な場合に限られています。
中間配当の手続き
中間配当の手続きは、最後配当の手続きと基本的に同じです。
最後配当については、以下の記事参照
中間配当を実施するには、裁判所の許可が必要です(破産法209条2項、他の配当は、裁判所書記官の許可)。また、破産管財人は、配当額ではなく、配当率を定めて、破産債権者に通知します(破産法211条)。
中間配当は、最後配当を行うまで複数回実施することができるとされています。しかし、配当にかかる費用や手間を考慮すると、不必要に何度も中間配当を実施すべきではないと指摘されています。
配当金の寄託
中間配当を行う場合、破産管財人は、一定の破産債権に対する配当額を寄託する必要があります(破産法214条)。未確定の債権等について、破産手続中に確定する場合に備えて配当額を確保することで、債権者の保護を図るためです。
中間配当を行う際に寄託される破産債権の主なものは、以下のとおりです。
中間配当を行う際に寄託される主な破産債権
①異議等のある無名義破産債権で破産債権の確定手続が係属しているもの
②別除権付破産債権で除斥期間内に目的財産の処分に着手し、予定不足額を疎明したもの
③停止条件付債権又は将来の請求権である破産債権
④解除条件付破産債権
中間配当の際に寄託された配当額は、最後配当の除斥期間内に条件が成就する等した場合は、その破産債権者に支払われます。最後配当の段階でも未確定の場合は供託します。最後配当に参加できない場合は、他の破産債権の配当に充てます。