個人再生手続きにおける少額債権の定めについて,大阪地裁の運用を取り上げます。

再生計画の弁済方法

 個人再生の再生計画における債務の弁済方法は,3か月に1回以上の割合による原則3年の分割弁済であることが必要です。しかし,民事再生法は少額の債権の弁済の時期について,別段の定めをすることを認めています。

 少額の債権を他の再生債権と同様に,3か月に1回以上の分割弁済にすると,1回当たりの弁済額が少額になりすぎて,銀行の振込手数料を下回るといった事態を回避するために,少額債権の定めが認めています。

大阪地裁の少額債権の定めに関する運用

 少額債権の定めについて,大阪地裁の運用は,1か月当たりの弁済額が1000円未満であることを基準にしています。3年の再生計画を定める場合は,3万6000円,5年の再生計画を定める場合は6万円ということになります。

 この基準内の債権について,少額債権の定めをした場合,裁判所に対して特に補足説明等をする必要はありません。基準を超える債権について,少額債権の定めをする場合は,そのような定めをした理由について,補足説明を裁判所にする必要があります。

 短期間に弁済を受けられることは,再生債務者が再生計画を将来的に履行できなるリスクを考えると,利息以上に有利であるとも考えられます。

 そのため,上記の基準を満たせば,それだけでいいというわけではなく,他の再生債権者とのバランスも要求されます。たとえば,債権総額1万円の債権を3回の分割にしつつ,債権総額3万円の債権の弁済は1回で行うとか,少額の債権の弁済を最終回で行うということは,認められません。