保証人が破産申立てをした場合の影響について、保証人の破産で取上げました。では、個人再生の場合、保証債務は、どのように取扱われるのでしょうか?
主債務者が弁済を続けている場合に問題
主債務者が返済を遅れずに続けている場合は、他の債務と異なり、債権者は、主債務者からの弁済を今後も見込めます。また、再生計画に従って弁済を続けていく上で、主債務者の弁済によって、債務が減少していくことになります。
個人再生手続きの中で、権利変更を行い、保証人が弁済するのか?弁済するとして、債権額をどう算定するのか?という問題ということができます。
保証人について再生手続が開始された場合
保証人について再生手続きが開始されると、債権者は、再生手続開始時において有する債権の全額について、再生手続きに参加できます(民事再生法86条2項、破産法104条1項・105条)。そのため、再生計画が認可・確定した場合は、保証債務も権利変更を受けます(民事再生法232条・244条)。
再生計画はどうする?
再生債務者は、再生計画の認可決定が確定すると、速やかに再生計画を履行する必要があります(民事再生法186条1項)。
期限の利益を喪失してない場合
主債務者が約定通りの弁済を続けていて、期限の利益を喪失していない場合は、保証人である再生債務者について、再生計画に基づく弁済を留保するという扱いが可能だとされています。
当面、弁済を留保する場合も、いつ、主債務者が弁済を遅滞するかわかりません。したがって、再生計画に基づく弁済金をきちんと保管(プール)しておくのがいいでしょう。
期限の利益を喪失している場合
期限の利益を喪失している場合は、保証人である再生債務者は、再生計画に基づき弁済すればいいことになります。