破産の免責不許可事由の一つである虚偽の債権者名簿の提出を取上げます。

虚偽の債権者名簿の提出

 破産の免責許可の申立てに際し,債権者名簿の提出が義務付けられています。その債権者名簿に虚偽の記載をすることは,免責手続の適正な遂行を妨げるものとして,免責不許可事由とされています。

債権者名簿

 ここでいう債権者名簿とは,免責許可申立時に提出される債権者名簿のことです。債務者が破産手続開始申立を行った場合,反対の意思表示がない限り,申立てと同時に免責許可の申立てをしたものとみなされます。したがって,破産手続開始申立時に提出される債権者名簿が,ここでいう債権者名簿に該当します。

虚偽

 債権者名,債権額,発生原因について事実に反する内容を記載し,又は記載すべき債権者名,債権の内容を記載しないことが虚偽に当たります。

 免責不許可という制裁を伴うことから,債権者名簿の虚偽の記載や不記載は,破産者が破産手続の遂行を妨害し,又は債権者を害する目的で意図的に記載しなかった場合に限られると解されています。

 なお,破産者が,過失によって債権者名簿に債権者名や債権の内容を記載しなかった場合,その債権は非免責債権となります。この場合,破産者の不利益は,その範囲にとどまり,免責不許可事由には該当しないとされています。