破産手続の特別調査期日における債権調査を取上げます。
特別調査期日における債権調査の対象
債権調査期日は、①全ての破産債権を対象とする一般調査期日(破産法121条1項・7項)と②一般調査期日における調査の対象にできなかった破産債権を調査の対象とする特別調査期日(破産法119条1項・2項,122条1項・2項)があります。
②特別調査期日における債権調査の対象となるのは、以下のとおりです(破産法112条)。
特別調査期日の対象
(1)債権届出期間経過後に届出があり、又は他の破産債権者を害すべき届出事項の変更があった破産債権で、一般調査期日において調査することに破産管財人又は破産債権者の異議があるもの
(2)破産債権者の責めに帰すことができない事由によって、一般調査期日終了若しくは一般調査期間経過までに破産債権の届出ができず、その事由が消滅した後、1か月以内に債権届出を行った場合
(3)一般調査期日終了若しくは一般調査期間経過後に生じた破産債権で、破産債権者が権利発生後1か月以内に債権届出を行った場合
(4)一般調査期日終了若しくは一般調査期間経過後に他の破産債権者を害すべき届出事項の変更を行う場合で、その事由が消滅した後、1か月以内に変更をした場合
実務上は、(1)の場合、ほとんど一般調査期日において、債権調査を行っています。したがって、実務上、特別調査期日における債権調査は、一般調査後に管財人に発見されるまで破産手続が行われていることを知らず、債権届出の機会のなかった破産債権者の破産債権等について行われています。
費用の負担
特別調査期日における債権調査に関する費用は、対象となる破産債権者の負担になります。費用としては、以下のものが想定されます。
特別調査期日における債権調査に関する費用
①特別調査期日を定める決定書の送達費用
②①に代わる代用公告の費用
③特別調査に係る管財人報酬
費用を予納しない場合は、破産債権届出又は届出事項の変更に関する届出は却下されます(破産法120条)。