借金の延滞を放置していると、給料が差押えられることがあります。給料が差押えられた場合、債務整理よって解決できるのか?を取り上げます。
給料が差押えられた!?

裁判所から給料を差押えるって通知が届いた!?

給料差し押さえられたら…家賃払えないし、ごはんも食べられなくなっちゃうよ…もう終わりだよね?

そんなことないよ、給料は全額差押えられるわけじゃないんだ。

債務整理で給料の差押えを解除できる場合もあるよ。
借金の延滞を放置していると、最悪の場合、給料が差押えられることがあります。給料が差押えられた場合、債務整理で対処できる場合があります。
給料の差押え
まず、給料が差押えられるまでの流れを見てみましょう。
訴訟の提起等
差押えをするには、判決や支払督促といった債務名義が必要です。まず、訴訟の提起や支払督促の申立てが行われます。
判決等の取得
債務名義となる判決や支払督促を取得します。
給料差押の申立て
裁判所に給料の差押えの申立てを行います。
勤務先、債務者に差押命令が届く
勤務先と債務者本人に裁判所から差押命令が届きます。
取立権の発生
給料の差押えの場合、債務者本人に差押命令が届いてから4週間を経過すると、債権者に取立権が発生します。
差押えられる給料の金額
給料が差押えられても、全額が差押えられるわけではありません。法律で差押えの上限が決まっています。
具体例①
手取り給料が24万円の場合
この場合は、給料の4分の1の6万円が差押えられるます。
具体例②
手取り給料が40万円の場合
給料の4分の1は10万円です。一方、給料の内33万円を超える部分は7万円です。
この場合は、10万円が差押えられます。
具体例③
手取り給料が50万円の場合
給料の4分の1は12万5000円です。一方、給料の内33万円を超える部分は17万円です。
この場合は、17万円が差押えられるます。
給料が差押えられた場合、債務整理で対処できる?
給料が差押えられた場合、債務整理で対処できる場合があります。①任意整理、②自己破産、③個人再生のそれぞれの手続ごとに、差押えに対処可能かを見てみましょう。
①任意整理
給料が差押えられた場合、任意整理をするのは、非常に困難です。
債権者からすると、手間と費用をかけて、給料を差押えたことで、毎月、一定額を確実に回収できるようになりました。したがって、任意整理に応じる理由がないのです。
給料の差押えを解除するには、このまま給料を差押えするよりも有利な条件を提示するしかありません。たとえば、一括で全額支払うことが考えられます。
②自己破産
自己破産は、法律上、給料の差押えを解除することが可能です。同時廃止と管財事件では、給料を全額受け取れるタイミングが異なります。
同時廃止の場合
破産の内、同時廃止手続の場合、開始決定が出ると、差押えは中止されます。中止とは、いったん、手続が止まるというイメージです。差押えられた給料を受け取ることはできませんが、債権者にも支払われず、いったん、プールされます。
その後、免責許可決定の確定すると、差押えは失効します。中止されていた間の給料も失効後に受取ることができます。
管財事件の場合
管財事件の場合は、開始決定により、差押えは失効します。開始決定後、すぐに給料を全額受け取れます。
③個人再生
個人再生の場合も法律上、給料の差押えを解除することが可能です。
再生手続の開始決定により、差押えは中止されます。そして、再生計画の認可決定により差押えは失効します。破産の同時廃止の場合と同じイメージです。
まとめ
以上をまとめると、以下のようになります。自己破産又は個人再生の申立てにより、差押えに対処可能です。
手続き | 差押を解除できるか? | 債務減額効果 | 注意点 |
任意整理 | × | × | 一括返済なら可能 |
自己破産 | 〇 | ◎ | 財産を失う可能あり |
個人再生 | 〇 | 〇 | 継続的な収入が必要 |
給料が差押えられる前に対処することが重要
給料は、いきなり差押えできるわけではありません。給料が差押えられるまでに、いくつかの手続きを踏む必要があります。つまり、給料が差押えられる前に、対処できるということです。
給料が差押えられると、任意整理で解決するのは、まず、無理です。債務整理で解決するには、自己破産又は個人再生しか選択肢がありません。しかし、給料が差押えられる前の段階では、条件によっては、任意整理も可能です。
早めに対処することで、給料の差押えや生活の崩壊を防げます。

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