法律事務所エソラで扱った破産(管財事件)の解決事例の一例を紹介します。
①相談時の状況
依頼者は、30代の会社員の男性でした。
病気の治療費がかさんだことに加え、勤務先の事情により給与が減少し、生活費の不足を補うために借入れを重ねるようになりました。
また、無職の弟と同居しており、弟の生活費の大部分を依頼者が負担していたため、家計は慢性的に厳しい状況となっていました。
その結果、借入総額は約514万円にまで増加し、返済が困難となったことからご相談に来られました。
債権者は9社で、内訳は以下のとおりです。
債権者の内訳
消費者金融 2社
クレジットカード会社 実質4社
奨学金(弟の連帯保証人) 2件
その他 1社
②財産状況
依頼者には預貯金や生命保険などがありましたが、いずれも少額であり、めぼしい財産はありませんでした。
そのため、当初は同時廃止事件として破産申立ての準備を進めていました。
しかし、退職金の見込額が約220万円であることが判明しました。大阪地裁では、退職金額の8分の1を財産として評価します。そのため、依頼者の財産に約27万5000円が計上されることになります。
その結果、大阪地裁の同時廃止基準を満たさず、管財事件として申立てを行うことになりました。
③相続が判明
管財事件として申立てをすることになったため、管財人への引継予納金の準備などに時間を要し、相談・受任から申立てまで約1年4か月かかりました。
その後、破産手続開始決定が出されましたが、手続中に思わぬ出来事が起こります。
破産手続開始決定前に、依頼者の母方の伯父が死亡していたことが判明したのです。
伯父の代理人弁護士から依頼者宛ての書面が届き、それが管財人に転送されたことで初めて発覚しました。
依頼者は伯父とは疎遠であり、相続には関わりたくないという意向から、相続放棄を選択しました。

依頼者の母親は亡くなっており、依頼者が代襲相続人となった相続でした。
④破産手続と相続放棄の関係
破産手続開始決定後に、破産者が相続放棄をした場合は、破産財団との関係では、限定承認があったものと扱われます(破産法238条1項)。

詳細は、以下の「破産手続開始決定前の相続と相続放棄」を参照
そのため、本件でも相続財産は破産財団に取り込まれる形となり、管財人による換価手続が行われました。
伯父は交通事故で重傷を負い入院中に、肺炎を直接の原因として亡くなったそうです。
このため、交通事故と死亡との因果関係が問題となり、損害賠償請求権の金額確定に時間を要しました。
その結果、相続財産の換価に約2年6か月を要することになりました。
⑤手続の結果
最終的に、相続財産から債権者への100%配当が行われました。
破産手続開始決定から破産手続終結・免責許可決定まで約3年を要しましたが、依頼者は無事に免責許可決定を得ることができました。
⑥弁護士からのコメント
破産手続では、申立準備中や手続中に思わぬ財産が判明することがあります。
本件でも、
- 退職金の存在
- 相続の発生
という予想外の事情がありました。
しかし、適切に手続を進めることで、最終的には免責許可決定を得ることができました。

無料相談はこちら
お電話又はメールフォームからお申込みください