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免責不許可事由があったが裁量免責が認められた破産の事例


法律事務エソラで扱った破産の解決事例の一例を紹介します。

事案の概要

 他の法律事務所で、債務の一部について、任意整理を行ったが、支払いができず、破産申立てをしたいと申出るも、弁護士が辞任したため、法律事務エソラで破産申立てを受任しました。

問題点

 破産申立てのための準備の過程で、免責不許可事由があることが判明しました。

 免責不許可事由は、主に浪費で、競馬・競輪に約6年間、合計で約150万円費やしていました。他にも免責不許可事由に該当するのではないか?という事由がありましたが、ギャンブルに比べると、悪質性が高くないものでした。

解決方法

 破産申立てに際し、上記の浪費等の免責不許可事由の存在を隠すことなく、きちんと申告しました。

 その上で、申立人代理人の意見として、①免責不許可事由には該当しないこと、②免責不許可事由に該当するとしても、裁量免責が相当であることの意見書を破産申立時に提出しました。

 さらに、依頼者には、反省文を作成してもらい、破産申立時に提出しました。

結果

 破産手続開始決定が出ましたが、裁判所から①生活再建策を含めた反省文の作成と②実額での家計収支表2か月分の作成を求められました。

 裁判所に出頭しても審尋が行われることもりますが、今回は、裁判所に出頭することなく、最終的に裁量での免責が認められました。 

免責不許可事由がある場合

 免責不許可事由があるからといって、直ちに、破産申立て諦める必要はありません。実務上、多くの事案で裁量免責が認められています。

 免責不許可事由がある場合の破産申立てについては、以下の点が重要です。

①免責不許可事由が存在することを破産申立て段階で申告する

 弁護士は、破産申立ての準備段階で、免責不許可事由の有無を必ず確認します。弁護士から聞かれた場合、隠したりせず、素直に申告してください。

 破産申立後に、裁判所の指摘で免責不許可事由の存在が判明した場合は、裁判所の心証が悪くなることも考えられます。

②生活再建策を考え実行する

 破産申立てまでに、免責不許可事由に該当する事実、たとえば浪費なら、浪費の原因となっているギャンブル等を止めるのは、当然です。

 さらに、今後の生活再建策を考え、実行して行くことが重要です。


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