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自己破産から任意整理へ方針転換し約748万円を60回の分割返済で和解した事例


法律事務所エソラで扱った任意整理の解決事例の一例を紹介します。

 ご依頼者は、生活費の不足を補うために借入れを重ね、7社に対して合計約748万円の負債を抱えていました。

 当事務所へご相談いただく前には、別の弁護士へ一部の債権者のみ任意整理を依頼し、分割返済を続けていました。

 しかし、任意整理の対象としなかったカードの支払いが月20万円を超えるなど、家計への負担が大きい状態が続いていました。そのため、任意整理による返済も困難になり、自己破産を希望して当事務所へ相談されました。

 負債総額が約748万円と多額であり、すでに行っていた任意整理の返済も難しくなっていたことから、当初は自己破産の方針で受任しました。

 受任時点では大きな財産がなかったため、破産管財人が選任されない同時廃止事件になることを見込んで、破産申立ての準備を進めていました。

 弁護士が受任した後、ご依頼者は借入れやカードの利用をしなくなりました。

 それまで月20万円を超えていたカードの支払いがなくなったことで、家計は次第に安定しました。その結果、家計の余剰が預金として蓄積され、預金残高が50万円を超えるようになりました。

 大阪地方裁判所の運用では、現金・普通預貯金残高の合計が50万円以上の場合、同時廃止事件ではなく管財事件となります。そのため、ご依頼者には、破産管財人へ引き継ぐ予納金の積立てを進めてもらいました。

 引継予納金の積立てを続ける過程で、ご依頼者の家計は、継続的に大幅な余剰が出るようになりました。

 平常月でも十数万円から20万円程度、ボーナス月には50万円を超える余剰が出ていました。

 このような家計の状況が続くのであれば、負債を分割で返済できる可能性があります。そこで、受任から約11か月後、自己破産の申立てを進めるのではなく、任意整理へ方針を転換することにしました。

 任意整理に方針を転換したものの、負債総額は約748万円に上ります。3年程度の分割返済では、毎月の返済額が多すぎて、到底返済できません。

 そこで、改めて家計収支と返済可能額を確認したうえで、各債権者に対し、以下の事情を説明しました。

  • 自己破産を予定したが家計が改善したこと
  • 全債権者が60回以上の分割返済に応じてもられば、任意整理が可能であること

 その上で、60回以上の長期分割に応じてもらえるか、各債権者へ打診しました。

 各債権者の回答を踏まえて交渉した結果、1社を除く全ての債権者と60回以上の分割返済で和解できました。最も短い債権者が59回、最も長い債権者が72回の分割です。

 将来利息は、全ての債権者についてカットされました。経過利息と遅延損害金については、基本的に口頭で和解が成立した日までの金額とし、一部の債権者については債権調査票に記載された金額を基準に和解しました。

 任意整理へ方針を転換してから約1か月半で、全ての債権者との和解が成立しました。

 毎月の返済総額は約12万4000円です。すでに一部の債権者への返済が始まっており、そのほかの債権者についても順次返済が始まる予定です。

Point

任意整理の再和解となる債権者から難色を示されたことがありましたが、最終的に、家計の余剰の範囲内で任意整理をまとめることができました。

 この事例では、当初は自己破産が適切と考えられました。その後、借入れやカードの利用をやめたことで家計が安定し、破産申立ての準備中に、継続的な返済が可能な家計へ変化しました。

 そこで、当初の方針に固執せず、実際の家計収支を確認した上で、任意整理へ切り替えました。さらに、各債権者へ事情を説明し、長期分割の交渉を行ったことで、約748万円の負債について毎月約12万4000円の返済計画を立てることができました。

 債務整理の方針は、最初に決めた手続を最後まで続ければよいとは限りません。

 受任後に収入や支出、財産の状況が変化し、当初予定していた手続が適切ではなくなることもあります。その場合は、最新の家計や財産の状況を踏まえて、方針を見直す必要があります。

 本件では、カードの利用をやめたことで家計が安定し、自己破産ではなく任意整理によって返済できる見通しが立ちました。また、60回を超える長期分割について各債権者と交渉し、家計の余剰の範囲内に毎月の返済額を収めることができました。

 もっとも、60回を超える分割返済に応じてもらえるかどうかは、債権者、負債額、取引状況などによって異なります。 返済が難しくなった場合や、以前行った任意整理の返済を続けられなくなった場合も、自己破産しか選択肢がないとは限りません。現在の負債と家計の状況を整理したうえで、改めて適切な債務整理の方法を検討することが重要です。

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